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その裁判では、契約書(のみならず、すべての書類への)サインは、同意を示す厳格な証拠として取り扱われるのです。
というようなことを書くと、「そんなこと当たり前じゃないか」との言葉が聞こえてきそうですね。
はい、たしかに早くから海外進出を果たした企業や、法務室などが充実している大企業では、契約書に対する意識が欧米と同水準になっています。
でも、A社のように、はじめてアメリカに拠点を構えた中小の企業や、以前の日本的感覚から抜け出せないワンマン社長のいる会社、あるいはあとでご紹介するB社のように、大手企業であってもそれまでずっと国内市場だけでビジネスを行い、あるとき急にアメリカの同業社を買収して進出してきた会社などでは、契約書に対する安易なサインが今でも行われ、それがさまざまな問題の引き金になっているのです。
事実、イマジンコンサルティング社を創業した十数年前に比べて件数こそ減ったものの、私たちがアメリカで解決のサポートをするJ雇用契約書案件は、いまだにあとを絶ちません。
正直いうと、創業したてのころは、この種の依頼は大歓迎でした。
仕事があまりない時代でしたから。
おかげでJ雇用契約書案件については解決ノウハウをふんだんに蓄積し、こうした案件に強い弁護士などとの人的ネットワークも完備することができました。
ですが、いまだに在米日系企業からこの種の「ヘルプー・」の声がかかることを、私たちは悲しいことだと感じています。
日本人は人が良く、そのぶん無防備だから、かかえ込んでしまった問題だと思うと、ほんとうにやりきれません。
でもこれは、経営者が意識を替え、ちょっと外部の力を借りれば、事前に回避できるごくごく基本的な問題なのです。
私たちが日本に「イマジン」を設立した目的の一つは、この「事前回避」のお手伝いをしようと思い立つたからにほかなりません。
つまり、これからアメリカに進出しようとする企業、でもアメリカのビジネスや文化に習熟していない企業に対し、雇用契約書も含めた人事面でのトータルリスクをご教示し、リスク回避に向けたサポートをしたいと考えているのです。
重責を負うアドミの仕事。
でも1人ではとてもムリさて、問題の二点めは、アドミニストレーションーマネージャー(以下、アドミと略します)という役職の機能不全です。
アドミとは、日本でいえば人事・経理・総務といった職務を総合的に担う人のことをいいますが、この三つの職務はそれぞれ別の専門性が必要であり、いくら有能な人でも一人が担うのは不可能に近いでしょう。
にもかかわらず、日本の本社、ことにアメリカでの会社経営というものを経験したことのない企業は、「アメリカで設立した現地法人なんて、従業員が10人から20人ほどの小さな会社なんだから、アドミは一人で十分」と考えるわけです。
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